もしもおまえが
枯れ葉はなんの訳に立つの?ときいたら
私は答えるだろう、
枯れ葉は病んだ土を肥やすんだと。
おまえはきく、
冬はなぜ必要なの?
するとわたしは答えるだろう、
新しい葉を生み出すためさと。
おまえはきく、
葉っぱはなんであんなに緑なの?と
そこでわたしは答える、
なぜって、やつらは命の力にあふれてるからだ。
おまえがまたきく、
夏が終わらなきゃならないわけは?と
わたしは答える、
葉っぱどもがみな死んでいけるようにさ。
(著者:ナンシー・ウッド/訳:金関 寿夫)
ナンシー・ウッド(Nancy Wood)
彼女はニューメキシコ州のタオス・プエブロというネイティブ・アメリカンと30年以上の深い交流を持ち、多くの精神を学び取ってきました。
彼女は詩人、小説家、写真家など多岐にわたる能力を発揮し、1977年にはピューリッツァー賞も受賞されています。
ネイティブ・アメリカンによる知恵
ネイティブ・アメリカンの知恵とは大地に根ざしています。かれらは揺るぎない広大な自然に生かされているのです。母なる大地と、父なる太陽によって命を授かりそれに従う。過酷とも言える環境で生き抜く知恵には「死生観」の意味が含まれています。
通常「冬」とは一年の終わりの季節であり「死」を暗示します。そこから冬とは輝かしい人生の終結を連想することでしょう。しかしネイティブ・アメリカンの考え方は違く、新しい季節への始まりを意味しているのです。
「死」とは個人の終結ではあっても、魂の終結ではありません。ですからネイティブ・アメリカンの魂は大地に根ざし、永続的に引き継がれていくのではないでしょうか。
今日は死ぬのにもってこいの日
MANY WINTERSの日本語訳としては金関 寿夫により『今日は死ぬのにもってこいの日』と訳されました。
かなりインパクトのあるタイトルですよね。
最後にこのタイトルとなった一節を紹介したいと思います。
今日は死ぬのにもってこいの日だ。
Today is very good day to die.
生きているすべてが、わたしと呼吸を合わせている。
Every living thing is in harmony with me.
すべての声が、わたしの中で合唱している。
Every voice sing a chorus within me.
すべての美が、わたしの目の中で休もうとしてやってきた。
All beauty has come to rest in my eyes.
あらゆる悪い考えは、私から立ち去っていった。
All bad things have deperted from me.
今日は死ぬのにもってこいの日だ。
Today is very good day to die.
わたしの土地は、わたしを静かに取り巻いている。
My land is peaceful around me.
わたしの畑は、もう耕されることはない。
My felds have been turned for the last time.
わたしの家は、笑いに満ちている。
My house is filled with laughter.
子どもたちは、うちに帰ってきた。
My children have come home.
そう、今日は死ぬのにもってこいの日だ
Yes, today is very good day to die.
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