個人がどれだけ人として自分らしい生活を送り、人生に幸福を見出しているかという概念
QOL = quality of life(クオリティ オブ ライフ)とは、1970年代の初頭に言われ出した概念で、当時は「生活の質」と言ったり、「福祉 (welfare)」と言ったりと様々な言葉で表現されていました。
現在でも様々な分野で活用されており、「生活の質」「生命の質」「生存の質」「生の質」などと表現されています。
主流とされている定義
国際的にも合意された定義が得られているとはいえないものの、以下世界保健機関(World Health Organization:WHO)の健康憲章(1947)と日本の旧厚生省大臣官房障害保健福祉部(2000)が公表した定義が定着されています。
not merely the absence of disease, but physical, psychological and social well-being
単に疾病がないということではなく、身体的にも精神的にも社会的にも完全に満足のいく状態にあること世界保健機関(World Health Organization:WHO)の健康憲章
障害者・児施設のサービス共通評価基準」の用語解説にある「日常生活や社会生活のあり方を自らの意思で決定し、生活の目標や生活様式を選択できることであり、本人が身体的、精神的、社会的、文化的に満足できる豊かな生活日本の厚生労働省
この概念は各分野で微妙な違いはあるものの、共通している認識として「量」から「質」へ、「物」から「こころ」へ、「外面」から「内面」へという動向を反映し、人々の生活の満足感や充実感、幸福感、豊かさと関連しています。
QOLの向き合い方
近年では医学的流れから注目を集めており、正麺論理的な問題で、生命の選択や尊厳死、神聖なる生命、ターミナルケアとの関連でクオリティ・オブ・ライフに着目されています。どのように「有終の美」を迎えるかという点においては多くの検証が成されています。
また、特定の疾患の治療と評価に関するもので重要視されていまう。例えば癌、腎不全、循環器疾患などの患者に対して、患者を取巻く医師や家族に、身体的・心理的・社会的側面がどの様な状況にあるのかを評価尺度で解答してもらうものでもあります。
そして心理学(社会心理学)の流れからも発展してきまいた。生活満足度、幸福感、切実感などの尺度を用いて、社会学的な社会指標との関連付けをされてきています。
参考文献
庄司洋子・木下康仁・武川正吾・藤村正之編『社会福祉事典』弘文堂(1999)
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